音楽は共通の言語◯バロック音楽を20世紀の言葉に ストラヴィンスキー作曲ペルゴレージの音楽による《プルチネルラ》

武者がえし

2016年09月11日 00:00



カセットテープにインレタしていた時代がありました。

 カセットテープの背ラベルや、表や裏に、My Best Selection などと熱心に飾っていた頃がありました。何がきっかけだったのか、ちょっと都心の文房具屋さんで色々書体を見つけて嬉々としていました。ヘビメタにはゴシック体を使ったり、書体のイメージでジャズやクラシックをカセットテープに選曲して聴く機会にもなりました。何年も録り溜めたラジオドラマのカセットテープは、4月の熊本地震で数百本を捨てましたが、当時のインスタント・レタリングの残りも出てきました。足りなくなったり、残ったシールはどうしましたか?

 ラジオドラマのタイトルは原作本の題字を真似して書いてました。今ではパソコンでCD用にフォントを工夫していますが、昔の経験を今に対応しているもんだなと思っています。さて、第189回きらクラDONの答は、ストラヴィンスキー作曲『プルチネルラ』の冒頭でしょう。20世紀の作曲家、ストラヴィンスキーが200年前のバロック音楽を現代風のサウンドで仕立て直したバレエ音楽です。この曲はお気に入りの名曲のひとつです。音楽学校の図書館にペルゴレージの以降として保管されていた曲には、他の作曲家の作品も含まれていることが今では分かっていますが、ペルゴレージの他の曲を探して聴く機会にもなり、前期バロック音楽を今ではこよなく楽しんでいます。

 熊本地震から5ヶ月。クローゼットは扉が開かないまま。来月辺りから、ようやく大工さんが来てくれそうです。まともな夏服も着れないまま秋を迎えました。思い出の品も本震直後に確認も出来ないで捨ててしまいましたが、懐かしい事を思い出させて頂けてありがとうございました。


音楽は共通の言語

 小学校の二学期が始まって半月。何かしでかした児童がいるのか、先生の怒声が聞こえてきたり、お昼前には給食の美味しそうな出汁が香ってきたりと、最初の週こそ神妙な感じだったけれども、3週間目になる9月上旬も終わりとなると賑やか賑やか。
 土曜日の今朝は吹奏楽部が新しい曲の練習をはじめました。マーチングが3曲。ジブリの漫画映画の主題歌、AKB48のヒット曲、ミッキーマウスマーチ。いずれも最初は半分ほどの速度で全曲通して演奏。これは初めてとは思えなく正確でした。次に徐々にテンポを上げて、最後は本来のテンポでの演奏でしたが、部分部分の練習にとどまりました。午前中に3曲だったからか、全体を把握することが今朝の目標だったのかもしれません。

 マーチングは目的がハッキリしているから、テンポの変化も理解させやすい。夏休み中のコンクールの練習ではファンファーレと主部、コーダで一気に印象を変えるというのがなかなかうまく言ってないようでした。児童同士で音を合わせるのに真剣で変化のタイミングがパッといかない。カラヤンのようにというのが理想だろうけど、ミュンヒンガーもまた良しだ。カラヤンとオーケストラのように蜜月な関係に成るのは、あの時代のウィーン・フィル、ベルリン・フィルだからこそだ。ミュンヒンガーのオーケストラのように、メンバーそれぞれがお互いの音を聞いて演奏すると見通しの行き届いた音楽になる。

 漫画映画の主題歌、AKB48のヒット曲、ミッキーマウスマーチ。漫画映画の歌は子どもたちが歌声を合わせやすい、AKB48もグループでユニゾンで歌うパートが多い。それらをマーチのリズムに編曲すればいい。ミッキーマウスマーチは作曲される時点からマーチだ。メロディーはなんでも大丈夫、と言ったら台無しだろうか。マーチにのれないのはメロディーに音楽がある楽曲で、リズムが主体にある楽曲が現代の殆どの流行歌だ。

国は違えど世界中で親しまれている道化師人形。雑誌「平凡パンチ」のパンチも雑誌の発祥地イギリスで道化人形のこと。裸の女性をドールと見立てたり、アイドルの語源かもしれない。

  イタリアの古典的な仮面劇(コンメディア・デッラルテ)をテーマとしており、音楽も18世紀イタリアの楽曲が素材として用いられている。スカルラッティの音楽による『上機嫌な婦人たち』(1917年)、ロッシーニの音楽による『風変わりな店』(1919年)と、イタリア音楽にもとづくバレエを制作してきたバレエ・リュスの主宰者セルゲイ・ディアギレフは、1919年春頃には次回作としてペルゴレージの音楽に基づくバレエを構想していた。また、ディアギレフの同性愛の相手でもあったバレエ・リュスの振付師レオニード・マシーンはナポリ滞在中にコメディア・デラルテに興味を持ち、サン・カルロ劇場に隣接した王宮図書館で18世紀の即興劇の台本を研究し、その動きをバレエに応用することを考えた。
 こうして、ペルゴレージの音楽による、プルチネッラを主人公としたバレエを作ることを決定したディアギレフとマシーンはサンピエトロ・ア・マイエラ音楽学校の図書館に保管されていたペルゴレージの手稿や印刷譜の中から18曲を選びだし、1919年秋にストラヴィンスキーに「ハープを含む大編成管弦楽」への編曲を依頼した。『プルチネルラ』の素材となった楽曲はかつて全てがペルゴレージ作と考えられていたが、その後の音楽研究により、他の作曲家 ― 具体的にはドメニコ・ガロ、ウニコ・ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナール、アレッサンドロ・パリゾッティ、カルロ・イグナツィオ・モンツァ(英語版)、フォルトゥナート・ケッレリ ― によるものも含まれていることが判明している。
 ストラヴィンスキーはこれらの原曲を素材としながらも、リズムや和声は近代的なものを取り入れた独自の新古典主義のスタイルに作り替えた。プルチネッラ ( イタリア語: Pulcinella ) は、イタリアの伝統的な風刺劇コメディア・デラルテに登場する道化師である。高い鼻と太鼓腹、白い服とは対照的な黒いマスクを外見的特徴とする。プルチネッラはイギリスに伝わり、「パンチ」( Punch )という名の毒舌の道化師として知られることになる。パンチは雑誌『パンチ』のメインキャラクターとなり、風刺漫画を意味する「ぽんち絵」の語源となった。フランスでは、ギニョールと呼ばれる人形劇のキャラクターになった。ロシアのペトルーシカもプルチネッラを起源とする。
 おやおや、巡り巡っています。ストラヴィンスキーも幼少期から道化の人形芝居などを楽しんでいたでしょうか。

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