名曲名盤縁起 本格的クラシック調のハリウッド映画の名曲◉ジョン・ウィリアムズ〜映画《未知との遭遇》のテーマ

武者がえし

2019年02月25日 18:45

映画「未知との遭遇」日本公開始まる ― 1978年2月25日

 音楽と映画の結びつきは、親密で長い。特にハリウッド映画の音楽は、クラシック音楽の作曲法を十二分に学んだ人ばかりが書いたので本格的だ。最も有名なのがジョン・ウィリアムズで、ある時期、話題作のすべてが彼の音楽だったと言ってもいい。特に『スター・ウォーズ』シリーズを筆頭に、『E.T.』、『スーパーマン』などのSFファンタジーは、映像の楽しさを倍増させた。映画音楽をクラシック音楽と同等に扱うのはどうかという向きもあろうが、ベートーヴェンだって、《戦争交響曲》という、映画音楽のような曲を書いている。
 1978年の今日から日本公開が始まった『未知との遭遇』をお勧めしたい。そのテーマ音楽は、巨大な宇宙船から降りてきた異星人と地球人が、五音音階で交信する感動的なシーンをイントロにした全曲のハイライト。サウンドトラックで編まれた組曲は、ロサンゼルス・フィルなど多くのオーケストラが演奏している抒情的な名旋律だ。

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 銀色のジャケットは印象的だった。B面にスターウォーズ組曲だったが、未知との遭遇組曲がメインだったのは映画音楽以上の内容だったから。ピアノが発明されて、ドレミファソラシの平均律に音楽が変わるのが1750年代。五音音階が、それ以前から世界中にあったのは宇宙人が伝えたのか、ずっと昔から宇宙船に誘拐されて戻ってきた人がいたのか、そもそも宇宙船に乗って、どこからかやってきたのが地球人になったのか。
 ハリウッド映画の黎明期に音楽をつけたのは、コルンゴルトだった。タイタニックもダイハードも、それからの伝統を継承してる。コルンゴルトは、ドイツのクラシック音楽の作曲家だが、ナチスから逃れてアメリカにやってきた。そういうことからすると、映画音楽の祖先はベートーヴェンだ。ジョン・ウィリアムズのシンドラーのリストで、ついにクラシック音楽として扱われることのなるわけだが、因縁のような印象がする。

そうだね、耀子ちゃん。

Kazuhito Fujikiさんの投稿 2017年2月20日

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