レコードのステレオ録音は、英国 DECCA が先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。この技術は1968年ノイマン SX-68 を導入するまで続けられた。
この「オテロ」は冒頭のシンバルの音を聴いただけで凄い録音だという事が理解できるはずです。豪華なキャストとオーケストラと最高音質を誇った DECCA とくれば、否でも応でも注目せざる得ない。
悪役が際立つほどにメインの愛の悲劇が生々しく輝く。
作曲中のヴェルディは登場人物のイヤーゴに魅了され、歌劇のタイトルを「イヤーゴ」に変えようかと真剣に思い悩んだそうです。
冒頭の嵐の場面に釘付けになって、ドラマの背景も知らないで見始めたのが初体験。マリオ・デル=モナコの逞しさ。『アヴェ・マリア』の濡れ場は艶めいて、オペラに色気を感じて魅了された上演でした。
“黄金のトランペット”と異名をとったマリオ・デル=モナコの輝くテノールの艶が陰ってきたかな、と思った頃が買い換えの頃。テバルディ、プロッティも否がなく聴きどころ満点。カラヤンは二度目の録音の時には、オテロ役が暗い声のヴィッカースに対して、イヤーゴに明るい声のグロソップを起用。明暗コントラストが『オテロ』の魅力を際だたせるんですね。1960年前後でカラヤン指揮ウィーンで、DECCAに録音をしているが、そのどれもが最高レベルの演奏(録音)であり、人気の高いアイテムとなっています。完璧なバランスで演奏された『オテロ』の代表的名盤です。
マリオ・デル・モナコは1915年フィレンツェ生まれのテノール歌手。1985年没。13歳からヴァイオリンを学び、16歳から本格的に声楽を学ぶ。後にペーザロ音楽院のメロッキに師事。卒業後はレコードなどを通じてほとんど独学で発声とオペラ表現を学んだと言う。大戦中もイタリア各地の歌劇場に出演して経験を積み、1946年『アイーダ』のラダメスで評判を取り、1949年のミラノ・スカラ座での大成功を経て“黄金のトランペット”と称され、名テノールとしてオペラ界に君臨した。
レナータ・テバルディは1922年2月1日、イタリアのペーザロ生まれのソプラノ歌手。2004年12月19日、サン・マリノにて没。パルマのボーイト音楽院でカルメン・メリスに師事し、1944年『メフィストーフェレ』のエレーナ役でデビュー。その後、トスカニーニに認められ、1946年のミラノ・スカラ座再開記念コンサートに出演し、一躍注目を浴びた。以来20余年に渡り、世界各地の主要な劇場で活躍し、イタリア・オペラ界を代表するプリマ・ドンナとして、マリア・カラスと人気を二分した。レパートリーはヴェルディ、プッチーニ、ヴェリズモ・オペラのヒロインなどで、その輝かしい声と見事な演技力は聴衆を魅了した。
【キャスト】マリオ・デル・モナコ(オテロ)、レナータ・テバルディ(デズデモーナ)、アルド・プロッティ(イヤーゴ)、ネッロ・ロマナート(カッシオ)、トム・クラウゼ(モンターノ)
録音:1961年5月ウィーン、ゾフィエンザールでのステレオセッション。
製作:ジョン・カルーショー&ジェームス・ブラウン、ゴードン・パリーによる優秀録音、名演、名盤。解説書付き。
プロダクト
Verdi – Tebaldi, Del Monaco, Protti, Vienna Philharmonic, Von Karajan – Otello – DECCA MET209-11- レコード番号
- MET209-11
- 作曲家
- ジュゼッペ・ヴェルディ
- 演奏者
- マリオ・デル・モナコ デズデモーナ:レナータ・テバルディ アルド・プロッティ フェルナンド・コレナ ネルロ・ロマナート トム・クラウゼ
- オーケストラ
- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ウィーン少年合唱団 ウィーン国立歌劇場合唱団
- 指揮者
- ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 録音種別
- MONO
PURPLE WITH SILVER LETTERING, MONO 3枚組(160g/160g/160g), Release 1961, Stamper 2A/3A 2A/3A 2A/2A。
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