新鮮で精密なマーラーとして◆演奏史に決定的な影響を与えた アバド シカゴ響 マーラー・交響曲2番《復活》
通販レコードのご案内〝アバドのマーラー〟の特徴が、最良の形で表現されているレコードのひとつだ。
《独ブルーライン盤》DE DGG 2530 775 アバド・シカゴ響 マーラー・交響曲2番「復活」 3つのオーケストラを使い分けて、16年かけて完成させたアバド第1回目のマーラー交響曲全集へとなる、その第1弾だった。この『復活』は、その解釈において、ワルター、バーンスタインに次いで、マーラーの演奏史に決定的な影響を与えた ― という有様でも名盤だ。1972年のザルツブルク音楽祭での同曲の大成功踏まえてドイツ・グラモフォンがオファー。アバドとシカゴ響の「復活」といえば、当時メータ指揮ウィーン・フィル盤と人気を二分した。ソプラノ歌手ネブレットらの見事な歌唱と、アバドならではの新鮮で精密な演奏を堪能できる。
私をクラシック音楽のレコードを、本格的に聴き入らせるスタートとなった記念碑的存在でもある。それは〝アバドの特徴の出たマーラー〟であって「マーラー作品の特徴」ではなかったからだ。ショルティ時代のシカゴ交響楽団の絶対的合奏力とパワーをフルに発揮、若きアバドの新鮮な解釈により速いテンプでぐいぐい進んでいく。シカゴ交響楽団を聴いて気がついていなかった、流れるような美しさ、繊細な表情付けに新鮮な思いを受け、誇張や感情的な思い入れは少ないところに納得したり。不自然さを感じないテンポ設定に曲そのものの美しさを感じた。極めて客観的に捉えているアバドの演奏に接したことで、ワルターやバーンスタインが、音楽と同化して、歌い、のたうち回っているのが理解できた。
アバドはこの後にウィーン・フィルと同曲をデジタル録音し、同じアプローチで、より理想を求めたせいか、ここではシカゴ交響楽団のハイパー高性能ぶりが最高度に発揮されています。ウィーン・フィルもシカゴ盤を聞いていて応えたからだろうが、根本から既成概念を払拭していく本盤がワクワクする。金管群のパワーと輝き、弦楽器のあらゆる音域での豊かな表現力、名人芸の光る木管、決め所をわきまえた打楽器、あらゆるパートが最高度の技を見せ、しかもアバドの目指す音楽のために注ぐ姿が、すばらしい。コーラスも実に充実。ソリスト2人も気力あふれるいい歌声で、深みのある歌を聴かせます。
録音はアナログ末期ですが、マーラーがスコアに書き込んだものをしっかりと再現しています。マーラー作品の演奏・録音に対する基本的な嗜好を作るのに貢献したレコードだ。
1976年2月シカゴ、メディナ・テンプルでのステレオ・セッション録音。[プロデューサー]ライナー・ブロック、[バランス・エンジニア]ハインツ・ヴィルトハーゲン
シカゴ交響楽団はLP初期以降マルティノン時代までRCAの専属でしたが、1969年のショルティの音楽監督就任によってデッカに移籍し、デッカによる明晰な録音が大きな話題を呼ぶようになります。
ドイツ・グラモフォンもアメリカ市場でのシェア拡大を目指し、ボストン交響楽団やサンフランシスコ交響楽団に続いて1972年からシカゴ交響楽団との録音を開始し、バレンボイム指揮のブルックナーやシューマンと並行して収録されたのがアバドによるマーラーでした。本盤、第2番「復活」のあと、第5番と「亡き子をしのぶ歌」、第6番、第1番、第7番の4曲がシカゴで収録されています。この「復活」の録音会場は1912年に建設され、1966年のオーケストラ・ホールの改装による音響効果の悪化でシカゴ響の録音に使われるようになったメディナ・テンプルで、3階4200席を擁した広大な空間は、シカゴ響の本拠地であったオーケストストラ・ホールのドライで引き締まった響きとは異なり、2人の独唱、混声合唱と巨大な編成のオーケストラによるマーラー「復活」のような作品に相応しいゆとりのあるサウンドを無理なく作り出すことができる環境でした。
同時期に進行していたショルティ指揮のデッカ録音によるマーラー全集がマルチマイクによって細部を明晰に拾い、豪壮な迫力を感じさせるあざといまでの人工的な音作りであったのと比して、サウンドステージのパースペクティヴをより広く設計したドイツ・グラモフォン録音は、コンサートプレゼンスを思わせる拡がりの中で全体のマスの響きと細部のソロのバランスを絶妙なタイミングで両立させている点が特徴だった。また第5楽章で「遠くから」と指示された別働隊のバンダが起用されますが、この録音ではそうした遠近感の差異も見事に再現されています。
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
- レコード番号
- 2530 775-6
- 作曲家
- グスタフ・マーラー
- 演奏者
- マリリン・ホーン キャロル・ネブレット
- オーケストラ
- シカゴ交響楽団
- 指揮者
- クラウディオ・アバド
- 録音種別
- STEREO
BLUELINE、1977年リリース2枚組。
ブルーライン 黄色地に黒文字。リムに青い二重線が引かれたラベル。通称、BLUE LINE と呼ばれています。
コンディション
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- M-
- 製盤国
- DE(ドイツ)盤
通販レコード
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