ブリテンの音楽は、特に多彩な金管と打楽器の雄弁さが印象的で、もっとスペクタキュラーな表現もできそうなのに、それらが決してやかましく鳴り響かないところにセンスを感じる。まったくもって素晴らしい名曲・名演・名録音だ。
また、録音に参加した3名の歌手は戦争で戦ったロシア、ドイツ、イギリスの歌手となっていて冷戦期に録音されたこの作品は歴史的にも貴重な作品といえるだろう。独唱者はロシアのソプラノ歌手ガリーナ・ヴィシネフスカヤ、イギリスのテノール歌手ピーター・ピアーズ、ドイツのバリトン歌手ディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウとなっているが、ブリテンは作曲時からこの3名を想定して作曲をしていたらしい。
今となっては実感も薄いが冷戦中だった当時は、英独ソの歌手を共演させること自体に、この曲の演奏意義があったに違いない。未だに戦争が繰り返されている昨今、このカルショーの響きをもっと世界中の人が聴くべきだ。
ED1 オリジナルラベル
Britten - War Requiem
Benjamin Britten conduct London Symphony Orchestra, Galina Vishnevskaya, Peter Pears, Dietrich Fischer-Dieskau, Melos Ensemble.
☆アナログレコード/通販レコード☆
オーダー番号 34-24015
ジャンル
【声楽曲】
レーベル
英 Decca
レコード番号
SET252,253
曲目
戦争レクイエム
作曲
ブリテン
第1回レコードアカデミー大賞も受賞している。
ウオリックシャー州にありドイツの空襲によって破壊された聖ミカエル大聖堂が再建される時に委託作品として作曲されたものだ。
詩は若干25歳で戦死したイギリスの詩人ウィルフレッド・オーエンのもので、彼が第一次世界大戦での体験からの戦争の悲惨さをうたった詩が使われている。戦争の犠牲者に対するレクイエムというより戦争行為そのもののもつ悲惨さを訴える作品といえる。
演奏者
ベンジャミン・ブリテン
指揮
ガリーナ・ヴィシネフスカヤ
ソプラノ
ピーター・ピアーズ
テノール
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ
バリトン
メロス
アンサンブル
ロンドン
交響楽団
ロンドン交響楽団
合唱団