2020年11月22日 23:20
少年時代に指揮者デビューしたガンバは125のオーケストラを指揮、デッカには10歳代から録音を行っていましたが、その数は少ないので彼を知る希少な機会です。
ピエロ・ガンバ(Piero Gamba)は1936年にローマに生まれた指揮者でピアニスト・作曲家。ピエリーノ・ガンバ(Pierino Gamba)としても知られる。少年時代に指揮者デビューしたガンバは早熟な才能で注目を集め、10歳代からロンドン交響楽団と共にデッカ・レコードへいくつかの録音を残し、またフィルハーモニア管弦楽団とEMIにも録音を行って、その神童ぶりを発揮しました。その後は多くのオーケストラを指揮し、これまでに125のオーケストラを指揮したというガンバは、1971年から1980年までウィニペグ交響楽団の音楽監督を歴任。以降はヨーロッパから南米、アジアにわたる世界各国の主要なオーケストラ ― モントリオール交響楽団、トロント交響楽団、ダラス交響楽団、フィルハーモニア管、スイス・ロマンド管弦楽団などと共演を果たしている。現在はニューヨークに住んでおり、そこで教育活動や指揮活動を継続して行っている。
殆ど忘れられた指揮者になってしまったのが不思議である。要因としては彼のレコードがステレオ初期にとどまり、その数は少ない、比較的知られたところものとしてはジュリアス・カッチェンの伴奏を務めたベートーヴェンのピアノ協奏曲全集でしょうか。やや安全運転気味とはいえ、曲の魅力を伝える手堅い指揮が印象的でした。
ガンバはイタリア出身で、本盤でも、イタリアの作曲家中心の選曲となっています。ヴェルディ:歌劇『椿姫』より第1幕への前奏曲、マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲、マンチネッリ:歌劇『クレオパトラの悲劇』序曲、ヴェルディ:歌劇『シチリア島の夕べの祈り』序曲、マルトゥッチ:管弦楽のための夜曲、ポンキエッリ:歌劇『ジョコンダ』より『時の踊り』。
またガンバは多くの演奏家と共演しており、共演した有名演奏家はピアニスト、ヴァイオリニストから管楽器奏者、ルチアーノ・パヴァロッティに至るまで人数は100人を超す。 それらが演奏に反映された、切れの良い、なかなか見事な名演が続きます。ブルックナーやマーラーなどは交響曲1曲がLPレコード2枚組であったりで、マーラーを聴くといったら管弦楽伴奏の歌曲で慣れ親しんでいる私のような世代には懐かしさすら感じる選曲ですが、名曲集だからといって流したところが一つもなく、どの曲もオーケストラともども真剣に取り組んでいるところに好感を持ちました。
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