もちもちした前奏曲☆カラヤン/ドビュッシー:海

アマデウスレコード

2013年06月12日 10:00



Debussy : La Mer, Prelude A L'apres, Midi D'un Faune, Ravel : Daphnis et Chloe Suite No.2 - Herbert von Karajan / Berliner Philharmoniker - DEUTSCHE GRAMMOPHON SLPM-138 923


もちもちとした陶酔感。ダイナミズムと洗練さを結実させた名録音。


ビートルズの来日で良く知られた年。イギリスのスターたちが来る直前に、日本で最も知られる外人が演奏会を二十日間ほどの滞在期間に数々行った。仙台、名古屋、岡山でカラヤンは、ドビュッシーの2曲をプログラムに演奏している。このレコードは来日直前、1966年3月に発売されています。録音は1964年だから、ヨーロッパと日本で発売するまで十分時間がとれた。
来日記念盤としてレコード店店頭で、印象深いレコードではなかったでしょうか。その想い出のある方に、話を聞かせていただけると嬉しい。
カラヤンのベスト・オブ・ベスト。10枚選べという問に加えない人はいないのが『牧神の午後への前奏曲』。膨大なレコーディングを残し、生前本人が発売を認めた録音としては、アルバム数にして実に481枚を数えます。この中でライヴ録音はマーラーの交響曲第9番の1曲のみで、カラヤンがいかに完璧を目指しスタジオ録音を重視していたかがわかります。

カラヤンの理想通りといえば、デジタル録音で録り直した『海』は演奏、録音ともにこれ以上の優秀さではある。それがクラシック音楽の演奏の極められたもので、こちらは意外なほどジャズ通にも気に入られているという。ハートウォーミングで、小難しい学理よりも音楽に浸る心地よさが楽しめます。

当時は初期のステレオ録音・・・デッカ録音が、機材を一新した時期に重なる次期の録音です。それが、なかなか臨場感があり、さらにはダイナミズムと洗練さを同時に追求するスタイルで、完全主義者だったレッグのノウハウが 100% DGG に流出したと言っても良いのではと思える出来栄えも隙が無い。
録音は DGG の製作人の中で燦然と輝く指揮者としても活躍のオットー・ゲルデス&ギュンター・ヘルマンス。

演奏はオーケストラに合奏の完璧な正確さを要求し、カラヤンも年齢的に颯爽とした時のもので、 前任者フルトヴェングラーの時代の余韻の残るオーケストラと、推進力あふれるカラヤンの指揮が見事にマッチした演奏です。
それはダイナミックスの幅が広く鮮やかで迫力満点。牧歌的な部分から迫力ある部分まで表現の幅が広く、リズムも引き締まっています。演奏と録音が共に、音を徹底的に磨き上げることによって聴衆に陶酔感をもたらせ、もちもちとしたドビュッシーに結実しています。
広く親しまれた名曲を最高の演奏でレコード化することに情熱を傾け続けた彼の姿勢は、このアルバムにも端的に示されています。

『牧神の午後への前奏曲』の中ほどで物音が聞こえる。この辺り、アナログ録音の所以。一週間で完成されたレコード。カラヤンのスケジュール、レコーディングの速さはロックのアルバムよりも短期間だ。それはジャズのセッションさながら。間に休日を挟んで、ドヴォルザークの新世界交響曲を同じセッションで録音している。


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ノート


曲目:
海、牧神の午後への前奏曲、ダフニスとクロエ 第2組曲
作曲:
ドビュッシー、ラヴェル

演奏


指揮:
ヘルベルト・フォン・カラヤン
オーケストラ:
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

プロダクト


レーベル:
独 DEUTSCHE GRAMMOPHON
レコード番号:
SLPM 138 923
初版:
チューリップ・ラベル。
録音種別
ステレオ
録音年
1964年3月9日、10日(海)、10日、11日(ダフニスとクロエ第2組曲)、11日(牧神の午後への前奏曲)、ベルリン・ダーレム、イエス・キリスト教会。
プロデューサー:
オットー・ゲルデス
エンジニア:
ギュンター・ヘルマンス
フォーマット
1LP


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