通販レコード#34-707 LXT6358 バックハウス ベートーヴェン:ソナタ第9,11,20番
特徴がないのが特徴。ただただ音符と戯れている。
UK DECCA LXT6358 Wilhelm BACKHAUS - Beethoven : Sonatas No.9,11,20
第20番のソナタは第1番より先に作曲された、ソナチネと呼ばれてピアノ学習者には親しまれています。
第9番、11番共に馴染みは薄いが、第9番は弦楽四重奏曲に編曲された室内ソナタの趣がある。そして第11番は、モーツァルトの交響曲第40番の緩徐楽章へのオマージュとなっている。
それがわかれば、いずれもバックハウスに向いた楽曲。どうしてこの3曲で一枚にしたのかと思いましたが、地味ながら渋い選曲の3曲で、小憎らしい。
鍵盤の獅子王バックハウスのベートーヴェンには、
漲るような精神性を感じる。ブラームスのレコードジャケットで見るところライヴではスタインウェイを使用もしているらしいが、レコーディングにはベーゼンドルファーにこだわった。その澄んだ音色とも相まって、ひどくシンプルなのです。まるで、
融通無碍の境地で、自由に、ベートーベンの音符と戯れているように、静かな所は静かに、激しいところは激しく、聴こえて来るところが、彼の魅力と言えるでしょうか。
これは鑑賞者にも学習者にも、永遠にベートーヴェンのピアノソナタのコンパス。
で、彼のことばの中にこんなのがある。
私は、コンサートの準備に際して、楽譜の研究とともに、何よりも音階練習に集中する。それに加えて、アルペジオの練習、さらにバッハの平均律。これが私のテクニックの基礎である。
私のテクニックに興味をいだく人たちに、『私が頼りにするのは音階練習だ。音階プラス努力だ』と言うと、たいていの人は驚くようだ。
・・・・・しかし、私は、まじめに努力する音楽学生に手の届かないような、そんな不思議な秘訣など、何も持ってはいない。
・・・・・もう一度言うが、私のテクニックの基礎は、ただただ音階につきるということを特に強調しておきたい。日ごとの絶えざる音階練習こそ大切なのだ。
聴きどころは...
一見、地味で素っ気無い無愛想とさえいえる辛口の表現だがバランスのよさは、聴きこむと学究的と評されるバックハウスらしい構成力と曲への愛情が感じられる。
実際のバックハウスの演奏は極めて果敢に「主観的」であって、テンポの即興的コントロールによって音楽の迫真性を獲得している事が彼の芸術の真髄であると、この録音を聞く事によって理解されましょう。今世紀のベートーヴェン演奏の規範と評価されるアルバム。それは決して彼の演奏が「教科書的」であると言うのではありません。
要は、テクニックをひけらかすわけでもなく、特徴が無いのが特徴といえるでしょうか。
ノート
- 曲目:
- ピアノ・ソナタ 第9,11,20番
- 作曲:
- ベートーヴェン
演奏
- ピアノ:
- ウィルヘルム・バックハウス
プロダクト
- レーベル:
- 英 DECCA
- レコード番号:
- LXT-6358
- 初版:
- オレンジ色銀文字ラベル。
- 録音種別
- セッション・ステレオ
- 録音年
- 1968年5月4日-6日、ジュネーブ、ヴィクトリア・ホール
- プロデューサー、エンジニア
- ジョン・モルドレー、ケネス・ウィルキンソン
- フォーマット
- 1LP
通販レコード オーダー番号 34-707
- コンディションと価格
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中古品につき売却済みの際はご容赦ください。
レコードカルテ
Record Label
ORANGE WITH SILVER LETTERING
Recording & Weight
MONO 1枚組(150g)
Release & Stamper
1A/1A
超レア物から歴史に名を残す名演まで、オレンジ・シルバーでも、どんどん聞いてみていただきたいところです。
音質も十分なクオリティが得られていて、特にご不満は出ないはず。
コンディション
盤
M-
ジャケット
EX
- Disc : 150グラム重量盤。
- Cover : コンディションは良好。
価格
中古市場での目安価格
6,000 円
販売価格
2,500 円
北海道・沖縄を除き全国一律 525円です。10,000円以上のお買い上げで送料無料となります。
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