Vivarte SRCR 9347 スティール・パーキンス/ナチュラル・トランペット作品集

武者がえし

2013年09月30日 10:00

Vivarte シリーズのなかでも目立たないけど忘れがたくなる一枚になるだろう





  • Music for Trumpet & Orchestra

  • Various composers


    Steraddella

    Sonata a 8 Viole con una Tromba in D major

    BIBER

    Sonata Ⅳ a 5 in C major
    Sonata Ⅰ a 8 in C major
    Duet for 2 Trumpets No.1 in C major
    Duet for 2 Trumpets No.11 in G major
    Duet for 2 Trumpets No.5 in C major
    Duet for 2 Trumpets No.13 in A major
    Sonata Ⅹ a 5 in G major

    Vivaldi

    Concerto for 2 Trumpets,Strings and Basso continuo in C major,RV 537

    Albinoni

    Concerto for Trumpet,3 Oboes,Bassoon and Basso continuo in C major

    Telemann

    Concert for Trumpet,2 Oboes Strings and Basso continuo in D major

    Handel

    Aria "Caro voi seite all'alma",Andante from "Serse"(Xerxes 1738)
    Aria "Se l'arco avessi",Allegro from "Adometo"
    March from "Scipione"(Scipio,1726)
    "See the Conqu'ring Hero Comes"(March) from "Judas Maccabaeus"(1747)
    Overture frm "Atalanta"(1936)


    Performance

  • Crispian Steele-Perkins, trumpet

  • Tafelmusik Baroque Orchestra
    Jean Lamon, violin, conductor

  • rec.
    1993/3/30-4/1

    Catalog, Format
    Vivarte, 88697963342, 1CD

    Time
    68'56"

    タワーレコードのワゴンセールで見つけたら逃さないで欲しい。セット物に含まれても居るようですが、初発時のプレスで是非愛聴盤にしたい。

    これは非常に素敵なアルバムだった。旅先に連れ出すのが良いだろう。ロマンティックな男女の旅の演出では無しに、気分転換のリフレッシュが出来る。ドライブや通勤途中の渋滞に聴くにも向いているだろう。ただ聞き入って青信号になって出遅れないで欲しい。愛聴盤になった。
    使用しているトランペットは『ナチュラルトランペット』という、現代のピストン式トランペットではない。非常に演奏が難しいそうで、さまざまな工夫を経て、このCDに収録されている録音が実現されたのだそうだ。
    トランペットというと、どちらかというと華やかさと喧しさがイメージされ、素人にはそんなに微妙な楽器とは思えない。実際には、ジャズのマイルス・デイヴィスの絶妙で優れたプレイや、その他のバロックトランペットのニュアンス豊かなトランペットの音も聞いているはずなのだが、トランペットというとどうしても『パンパカパーン!』と派手な音色の大きな音を想像してしまう。ショルティ指揮シカゴ響のボリュームたっぷりのトランペットの例や、バッハの管弦楽組曲第4番のイメージも残っているし。フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルも初期バロックの曲集を聴いて、初めて気になる存在になりました。
    しかし、このバロック音楽をナチュラルトランペットで演奏した録音は、密やかな息使いや細やかな情感まで感じられ、今までのトランペットのイメージが変わった。無論、ナチュラルトランペットの扱いにくさから来る演奏の傷はあるが、『そういうもんだ』と感じられ、全く気にならなかった。

    楽曲に関しては、アルビノーニやテレマン、ヘンデルなどの楽曲は耳の法楽だろう。それほど突出した音楽はない変わりに、ナチュラルトランペットでの珍しい録音という部分を抜きにしても、非常に落ち着いたバロックの魅力に浸ることができる。ヘンデルのオラトリオ『ユダ・マカベウス』より合唱曲『見よ、勇者は還る』は表彰式でお馴染みの曲だ。輸入盤だと、曲目を観てもすぐにメロディにつながらないから、新鮮に響く。
    More info:
    http://klassik.sonymusic.de/Tafelmusik-Jeanne-Lamon/Handel-Geminiani-Purcell-Vivaldi-Albnioni-Telemann-And-Others-Royal-Fireworks-Water-Music-Co/P/2574239
    http://www.arkivmusic.com/classical/album.jsp?album_id=733452
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