コレルリの音楽(4)〜古楽の楽しみ

武者がえし

2015年02月25日 13:45


もうちょっと知名度高くてもいい作曲家コレルリ、作品6の古楽器を楽しむ決定盤。

アルカンジェロ・コレッリは、ヴァイオリンソナタを中心に、バロック期の通奏低音書法に決定的な貢献をした大作曲家なのだが、ほとんど知られていない。
例えばヘンデルの通奏低音は、ほとんど文句がつけられないほど完成度が高いが、それは彼が20代でイタリアを漫遊し、コレッリなどが構築した遺産の影響を大いに受けたからである。

《合奏協奏曲集》作品6は、第8曲《クリスマス協奏曲》で広く知られるコレルリの代表作。1〜8曲は教会協奏曲形式、9〜12は舞曲を連ねた室内協奏曲形式をとっている。この曲の演奏で、随一なのはイングリッシュ・コンサートの爽にして快、優また雅、時の流れを忘れさせてしまうほどに美しい録音をあげる。

この合奏協奏曲は、古楽器による演奏の中ではバランス感覚に秀でていておすすめである。
大げさな表現こそなく、言い方によっては物足りない、ということもできるが、BGM として流しておく分には大変効果的である。もちろん、バロックの肝要であるパトスがないのかというとそんなことはない。まあアーノンクールが聞いたらどう論評するかはわからないが、たまにはイギリス風コレッリ、というのがあってもいいだろうと思う。


「合奏協奏曲 ニ長調 作品6 第1」 コレルリ作曲(12分28秒)
(合奏)ムジカ・アンフィオン
(チェンバロ、指揮)ピーテル・ヤン・ベルデル
<BRILLIANT CLASSICS 92118>


「合奏協奏曲 ヘ長調 作品6 第6」 コレルリ作曲(12分23秒)
(合奏)イングリッシュ・コンサート
(チェンバロ、指揮)トレヴァー・ピノック
<ARCHIV F60A 20040/1>

「合奏協奏曲 へ長調 作品6 第9」 コレルリ作曲(8分56秒)
(合奏)ムジカ・アンフィオン
(チェンバロ、指揮)ピーテル・ヤン・ベルデル
<BRILLIANTCLASSICS 92118>


「合奏協奏曲 ハ長調 作品6 第10」 コレルリ作曲(12分24秒)
(合奏)イングリッシュ・コンサート
(チェンバロ、指揮)トレヴァー・ピノック
<ARCHIV F60A 20040/1>
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