発展期のバロック音楽。その多様性を聴く。様々な作曲家の作品〜古楽の楽しみ

武者がえし

2015年03月02日 05:00

3月2日 月曜日からの4日間は、アンヌ・ダニカン・フィリドールのリコーダー・ソナタやテレマンのトリオ・ソナタ、ジョン・ブルの「王の狩り」やシャフラートの二重奏ソナタ、そのほか様々な作曲家の作品をお聴きいただきます。


1枚目に1609年の曲集、2枚目が1614年の曲集の二枚組。聴かせるのは1614年の曲集でしょう。ルネサンスからバロック初期には、わずか7年の間に多様性を増しているのが感じられます。20世紀に重ねると1965年から1972年の7年間の間の欧米洋楽の変化に似ていると思って下さい。その方がロックファンには把握しやすいでしょう。
ブレード:ハンブルガー・ラーツムジーク(コンソート・ミュージック)~17世紀ドイツの器楽アンサンブル
自由都市ハンブルクの音楽監督ブレードの、当時の雰囲気が伝わってくる愛らしくもセンチメンタルな舞曲集。個性的な造形感覚を持つサバール率いるエスペリオンXXの演奏はここでも刺激的。トン・コープマン参加。
「女王のイントラーダ(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(3分30秒)
「若き王女たちのイントラーダ(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(2分54秒)
「喜劇役者の舞曲(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(2分23秒)
「ロートシェンケン・タンツ(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(2分50秒)
「聖なる山(1617年の曲集から)」ウィリアム・ブレード作曲(1分45秒)
「巡礼者たちの踊り(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(4分08秒)
「ロベルト・バテマンのヴォルタ(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(1分00秒)
「マカラーダ(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(2分05秒)
「クーランタ(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(1分59秒)
「サテュロスの踊り(1617年の曲集から)」 ウィリアム・ブレード作曲(3分56秒)
(合奏)エスペリオン20
(ヴィオラ・ダ・ガンバ、指揮)ジョルディ・サヴァール
<HARMONIA MUNDI(独) BVCD 7033/34>
Recorded at the Museo della Tecnica e Scienza, Cenacolo, Milano, 21.-30. April 1981

リコーダーの可能性を追求し続ける山岡重治による貴重な一枚。17世紀後半から18世紀にかけてのフランスの作曲家による、雅味豊かな作品が並ぶアルバム。希少なリコ-ダーの為のオリジナル作品を2曲含み、全曲フレンチ・ピッチで演奏されたサウンドは、とてもふくよかで美しい。リコーダーの第一人者、山岡ならではの興味尽きないアルバムです。

「リコーダー・ソナタ ニ短調」 アンヌ・ダニカン・フィリドール作曲(8分55秒)
(リコーダー)山岡重治
(ヴィオール)平尾雅子
(リュート)金子浩
(クラヴサン)上尾直毅
<MEISTER MUSIC MH-1194>


あの「笛」の天才フランス・ブリュッヘンに「横笛(フルート)はバルトルド」と言わしめたフラウト・トラヴェルソの名手バルトルド・クイケンが、単に「新バッハ全集」によって演奏するのでなく、自筆譜や筆写譜を研究し尽くし、作品の読みとその解釈に満を持して取り組んだアルバムです。2人の兄、巨匠レオンハルトとの完璧なアンサンブルに支えられて実現した、バッハの多様な音楽の魅力とありのままの美を率直に伝えるその演奏は、この作品の不滅の名盤としての価値を持ち続けています。バルトルド・クイケンが使用しているフラウト・トラヴェルソは I.H.ロッテンブルク[1725年頃ブリュッセル]のモデルによるアラン・ヴェーメルス製[1986年]
「フルート・ソナタ ホ長調 BWV1035」 バッハ作曲(13分58秒)
(フラウト・トラヴェルソ)バルトルド・クイケン
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)ヴィーラント・クイケン
(チェンバロ)グスタフ・レオンハルト
<HARMONIA MUNDI(独) BVCD 38093-94>
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