ロリン・マゼールの初期レコーディング盤を聴く フランク・交響曲ニ短調 - SLPM 138 693
若きマゼールはポスト・カラヤンと目されていた。
彼の音楽は終生普遍のスタイルだった。1961年のフランクの交響曲は、カラヤンの同曲に負けない。オーケストラはベルリン放送交響楽団。ベルリン・フィル相手だったら気後れしたか、どうかは分からないが、素晴らしい音楽を引き出している。早いうちに自分のスタイルを見つけ出していただろうと感じさせるのはカラヤン同様だ。
先の投稿でもアンセルメとシューリヒトと比較しましたが、導入部から既に音楽は高いテンションに達している。カラヤンだと手綱を緩めながらクライマックスへムチ打ちをしてゴールを目指すところだが、マゼールはテンションを下げることはない。最後をポイントにして最初の煽りを作っているのだ、それが作曲家でも有る彼の資質なんだろう。
録音会場はカラヤンが常用していたイエス・キリスト教会ですが、左右に広いサウンドステージを作っている。木管楽器群が左後方、金管楽器群が右後方とフランクの音楽を解析しやすい。
厚ぼったい音楽ですが、それぞれの楽器の音が重なりあって作り上げているのがわかります。
関連記事