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2020年04月26日

朝の目覚めがすっきり。1795年に作曲されたハイドンの素敵な佳品。《ジプシー・ロンド》〜クラシック名曲ガイド、これを聞け

ハイドン:ピアノ・トリオ第39番ト長調HobXV:25 Op.73-2

Franz Joseph Haydn ハイドンのピアノ三重奏曲といえば、カザルス・トリオなどで有名な第25番をはじめとする数曲のみが有名ですが、実際には弦楽四重奏曲とほぼ平行して書き続けられており、全41曲を遺す大きな一分野となった作品群を形成しています。弦楽四重奏曲と大きく異なるのは、ほとんどの作品が2~3楽章からなり、比較的自由に構成されているという点でしょうか。ハイドンが書いた他のジャンルに較べ、短調作品の比率が高いのも興味深いところです。
 ディヴェルティメント風のものや、ピアノをメインにヴァイオリンとチェロのオブリガートが付いたピアノ・ソナタ風のもの、ヴァイオリンとチェロがソリスティックに活躍し後世に影響を与えたタイプのものに至るまで、ヴァリエーションに富んだ作風を俯瞰できるのも魅力です。

 既に1780年代から作曲家としての名声がヨーロッパ中に広まっていたハイドンには多くの出版社から作曲注文が相次ぎ、数多くのクラヴィーア三重奏曲が生まれ、それらは主に貴族や音楽愛好家の家庭で親しまれました。41曲にものぼるハイドンのクラヴィーア三重奏曲の中で最も人気のあるこの曲は、彼が2回目のロンドン旅行を行った1794年か1795年頃に作曲されました。

鑑賞のポイント

 ロンドン時代の作品は、演奏効果としても高いものを目指していて、クラヴィアのパートは明らかにピアノフォルテ用に書かれている。「ヴァイオリンとチェロを伴ったクラヴィーア・ソナタ」という原題からもわかるように、曲の主導権はクラヴィーア(ピアノ)が握り、弦楽器は比較的易しく書かれています。これは、ピアノ愛好家はかなり演奏水準が高かったのに比して弦楽器愛好家はそれほどでもなかったという当時の音楽事情を反映したものと言われています。いずれにせよ、これらの作品は洗練された室内楽形式として人気を博したのでした。
第1楽章 アンダンテ ト長調 2/4拍子
変奏曲。主題は2部形式で、ピアノとヴァイオリンによって穏やかな旋律が奏される。優しい調べで始まるピアノ。加わるヴァイオリンと温もりある対話をしているかのよう。第1変奏はト短調,第2変奏はト長調で活気ある三連符が特徴的。ヴァイオリンが激しく動くホ短調の第3変奏を経て、ト長調の第4変奏はピアノが32分音符で流麗に動く。
第2楽章 ポコ・アダージョ ホ長調 3/4拍子
主にピアノによって歌われるゆったりとした旋律と三連符の伴奏に、弦楽器が花を添える3部形式。ピアノの素朴な調べは郷愁を誘う。深く共鳴するものがあり慰めを感じる調べとして響いてくる。
第3楽章 フィナーレ:ハンガリー風のジプシー・ロンド プレスト ト長調 2/4拍子
ピアノ、ヴァイオリン、チェロが喜びを分かち合うように、生き生きと明朗軽快に展開していく。長調と短調が交互に現れる中でジプシー風のリズムや旋律が豊富に盛り込まれた、実に楽しい合奏である。

Cortot, Thibaud and Casals

 カザルス三重奏団は、アルフレッド・コルトー(ピアノ)、ジャック・ティボー(ヴァイオリン)、パブロ・カザルス(チェロ)によって結成された、20世紀前半を代表するピアノ三重奏団(ピアノ・トリオ)。カザルス・トリオ(Casals trio)。
 コルトーの多彩で詩的なピアノ、ティボーの繊細で高雅なヴァイオリン、カザルスの精神的で雄弁なチェロと、3人の個性はそれぞれであったが、これらが渾然一体となった演奏は、音楽史上のひとつの奇跡ともいわれる。
GB  EMI  RLS723 カザルス  THE ART OF P… 結成は1905年。第二次世界大戦直前まで約30年間にわたり、演奏活動がつづけられた。例えば、ブラームスの二重協奏曲では、ティボーとカザルスがソリスト、コルトーが指揮をするなど、ピアノ三重奏団の枠を超えた結びつきがあった。最終的には、コルトーがナチス・ドイツに協力的であったことから、これに反発したカザルスが袂を分かったといわれる。カザルスが抜けた後、ピエール・フルニエが加わった。
 EMIレーベルにハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマンらのピアノ三重奏曲のSP録音が残されており、いまだにこれらの曲の代表盤として不滅の評価を保っている。
HMV D.A.895 (8515), (8516), D.A.896 (8518), (8517)

 


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