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2021年01月17日

♪若き情熱が迸るシューマン◉アシュケナージのシューマン クライスレリアーナ&フモレスケ

シューマン作品のロマンティックな持ち味が、アシュケナージの抒情に富む表現によって写し出されている様な演奏です。


GB DEC SXL6642 アシュケナージ シューマン・クライスレリアーナ/フモレスケ

《英ナローバンド ED4盤》GB DECCA SXL6642 アシュケナージ シューマン・クライスレリアーナ/フモレスケ

ショパンやラフマニノフと並び、アシュケナージがこよなく愛したシューマン。ドイツ・ロマン派の典型的な芸術家であったシューマンはすぐれたピアノ曲をいくつも残しています。「交響的練習曲」や「幻想曲」と並び「クライスレリアーナ」はシューマンのピアノ曲の最高傑作の一つであるだけあって実に素晴らしい作品です。

「クライスレリアーナ」は8曲の幻想的な小曲から成るピアノ独奏曲で、タイトルはドイツ・ロマン主義文学の代表的な作家、ホフマンの小説に登場する楽長クライスラー氏に由来しています。シューマンは彼にとって得意なレパートリーで、彼はシューマンの作品にも若い頃から取り組んできた。その後1980年代から90年代にかけてシューマンの主要なピアノ作品を再録音 ― 「クライスレリアーナ」は、その後2回録音していますが、これはそれとへ別の若き日の録音。どれも質の高いものだったが、この若き日の録音も魅力が横溢していて忘れがたい。「クライスレリアーナ」には美しい旋律と華やかな技巧、華麗な演奏効果、ダイナミックな迫力など様々な表現個所がありアシュケナージの録音も情熱に満ちているが、そこにはすでにスタンダードな解釈という軸を見据えた姿もある。変幻自在な表情の変化が、アシュケナージの研ぎ澄まされたピアニズムにマッチしています。冒頭曲は激しい流動感を伴うが、アシュケナージの拍は明瞭で、かつ流れを損なわないような配慮を伴っている。かつ中間曲では美しいソノリティで詩情を持って歌われる。そう、いかにスタンダードな解釈を目指していても、絶対的な詩情を持ち合わせているため、人の涙腺に触れるような音楽が湧き出てくるのである。そして「フモレスケ」の幻想味も味わい深いアルバムです。「フモレスケ」も同じように技巧と情感のバランスが巧みで、節々の末尾がきれいにおさまるのが印象的。アシュケナージは持ち前の明るく口当たりの良いタッチで、良い意味で万人向きのピアノである。打鍵の粒が揃った演奏でメロディラインははっきり聴こえる。実に細部まで美しく彫琢された、現代的なすこぶる明快な演奏です。磨きぬかれた輝かしい音色、ニュアンスに富んだ表現力、優れた音楽性、筋のよい安定したテクニックと、あらゆる面において現代のピアニストの水準を上を行く演奏を聴かせています。木の香り漂う温かいベーゼンドルファーの重心の低い響きと、その自然なタッチのもとに歌うシューマンの世界は、他のピアニストではけっして得られない独特の世界。シューマン作品のロマンティックな持ち味が、アシュケナージの抒情に富む表現によって写し出されている様な演奏です。
 圧倒的に広いレパートリーを持ち、細部まで丁寧に演奏していること、そしてその結果として演奏の水準にほとんどムラがないことは特筆すべきことです。素晴らしいテクニックの持ち主だが、それをひけらかすことなく難しい作品もいとも容易く弾きこなしてしまう。それがウラディーミル・アシュケナージ(Vladimir Davidovich Ashkenazy)だ。アシュケナージは大変な努力家で、1つ1つの作品に全精力を注いで、それらの作品からその魅力を最大限に引き出そうとする姿勢がデッカ経営陣の心を打ったようだ。DECCAレーベルの入れ込みようは並々ならず。英デッカ社の財力を背景に完結させた全集企画の数では古今東西のピアニストの中では群を抜いている。1937年7月6日にソ連のゴーリキーで生まれ、幼少からピアノに才能を発揮。ショパン国際ピアノコンクール、エリザベート王妃国際コンクール、そしてチャイコフスキー国際コンクールと、ピアノコンクールの3大難関コンクールで優勝、または上位入賞を果たした。1955年にショパン国際ピアノコンクールで2位となりますが、このときアシュケナージが優勝を逃したことに納得できなかったアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリが審査員を降板する騒動を起こしたことは有名な話。ちなみに優勝したのは開催国ポーランドのアダム・ハラシェヴィチ。その後モスクワ音楽院に入学し、翌1956年、エリーザベト王妃国際コンクールで優勝、活躍の場を一気に世界に広げ、音楽院在学中から国際的な名声を確立し、EMIやメロディアからレコードも発売された。1960年にはモスクワ音楽院を卒業し、1962年にはチャイコフスキー国際コンクールに出場してイギリスのジョン・オグドンと優勝を分け合います。アシュケナージがデッカと専属契約を結んで初めて録音をおこなったのは、チャイコフスキー国際コンクール優勝の翌年、1963年のことでした。1963年にはソ連を出てロンドンへ移住、まず3月に録音したのは亡命作曲家ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番で、指揮はソ連からの亡命指揮者であるアナトール・フィストゥラーリが受け持ち、活動の場の国際化とともに政府の干渉や行動制限が増えたため、ほどなく亡命することとなるアシュケナージがソロを弾くという亡命尽くしの録音でした。翌月には同じくロンドン交響楽団とチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を録音しています。ここでの指揮は当時破竹の勢いだったロシアの血をひく指揮者ロリン・マゼールが担当しています。この年の9月には、ツアーに来ていたキリル・コンドラシン指揮モスクワ・フィルという祖国のチームとの共演でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を録音しており、この年のうちにアシュケナージは3つのロシアの有名協奏曲をロシアつながりの指揮者との共演で録音したことになります。翌年からはソロの録音も本格化し、以後半世紀に渡って数多くの録音をデッカでおこなうこととなります。ピアノ音楽のほとんどすべてに及ぶほど、彼の録音したピアノ曲のレパートリーは幅広い。
 着々とレコーディングをおこなう一方、世界各国でコンサートをおこない、1965年には初来日も果たすなど、この時期のアシュケナージの勢いにはすごいものがありました。その後、1970年代に入るとピアニストとしての活動に並行して指揮活動も行うようになり、1974年にはソ連国籍を離脱してアイスランド国籍を取得してからは、オーケストラ・レコーディングにも着手するなど、その指揮活動は次第に本格的なものとなって行きます。クリーヴランド管弦楽団との鮮烈なリヒャルト・シュトラウスやプロコフィエフのシンデレラ、コンセルトヘボウ管弦楽団との美しいラフマニノフなど、アシュケナージの指揮の腕前がピアノのときと同じく見事なものであることを示す傑作が数多くリリースされた。もちろん彼の演奏するロシア音楽のすばらしさは特筆すべきものがある。
クライスレリアーナ op.16、フモレスケ op.20。1971年10月、1972年11月ロンドン、キングスウェイ・ホールでのステレオ・セッション録音。Recording Producer: Christopher Raeburn, Recording Engineer: Tryggvi Trygvasen.

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

Vladimir Ashkenazy ‎– Schumann - Kreisleriana, Op. 16 / Humoreske, Op. 20
レコード番号
SXL6642
作曲家
ロベルト・シューマン
演奏者
ウラディーミル・アシュケナージ
録音種別
STEREO
NARROW BAND ED4 ORIGINAL, STEREO 1枚組(130g), Release 1974, Stamper 3A/3K。
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  • GB DEC SXL6642 アシュケナージ シューマン・クライスレ…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
EX++
製盤国
GB(イギリス)盤
SXL ナローバンド ED4 スモール・ラベルと日頃は呼んでいます。ED1 から比べると中央の「FULL FREQUENCY ...」の幅が狭くなり重量も軽くなります。ナローバンドが初版になる LP も多くあり、製盤技術、材質は安定していて再生の難しい ED1 と比べて再発盤でも初版より優れているケースも有ります。SXL 6435 と 6447 、6449 以降はナローバンドが初版となります。総じて価格は手頃ですが、SXL6529(メータ指揮ロス・フィル 「惑星」)、SXL6721(チョン・キョン・ファ バッハ パルティータ)等は高額です。この2枚はジャケットの痛みが激しくても一度は手元に置きたいと思うものなのでしょう。

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Posted by 武者がえし at 07:20│Comments(0)通販レコード器楽曲
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