真の永遠のベストセラー◉名演にも勝るカール・リヒターの高潔な演奏と解釈 ミュンヘン・バッハ管 バッハ・マタイ受難曲

武者がえし

2024年10月31日 21:19

カール・リヒターの代名詞的録音ともいわれる、決定的名盤。バッハ演奏において一時代を築いたリヒターの最初の「マタイ受難曲」の録音で、その後のバッハ演奏、あるいは「マタイ」演奏に多大な影響を与えた録音。


《独ステレオ・カーヴ with silver "Alle Hersteller“ ED1 布張りボックス、背表紙「逆さ文字」最初期盤》DE ARCHIV SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ・マタイ受難曲

旧東ドイツの牧師の息子に生まれたリヒターは、1950年代から70年代に峻厳な気迫を湛えた入魂の演奏で、現代人の心に強くアピールする清新なバッハ像を打ち立てた。
 バッハの《マタイ受難曲》は宗教音楽の金字塔というだけでなく、〝人類最高の音楽遺産〟ともいうべき不滅の傑作である。日本の音楽ファンにも、そう確信させたのが1969年5月の東京で、リヒターが手兵のミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団と演奏した《マタイ受難曲》であったかもしれない。バッハの化身とまで謳われ、20世紀のバッハ演奏に大きな足跡を残したカール・リヒターによる《マタイ受難曲》は現在4つの録音があり、本盤は1958年録音盤。レコード発売以来、恐らく日本だけで50万セット以上は売れたであろう、クラシックのレコード史上に輝く作品。
 リヒターによるバッハ演奏、なかでも大作《マタイ受難曲》(1958年録音)から始まったここでの4大宗教作品の録音は、それまでの伝統に立脚した解釈・演奏とは一線を画したものとして、今日のバッハ演奏として定着した感のあるオリジナル楽器にも匹敵し、それらをも上回るリヒターの確信と解釈とによって絶大な名声を博してきました。なかでも《マタイ受難曲》は1959年のレコードによる発売以来、CD時代となった現在でも、その演奏水準の高さ、各ソリストの名演、そして何にも勝るリヒターの高潔な演奏と解釈が普遍性を示したものとして、真の永遠のベストセラーとして支持され続けてきました。
 バッハが作曲した「マタイ受難曲」が西洋音楽の最高峰だという事には殆ど誰も異論を挟まない。この曲を知らずに死んでもどうって事は無いが、人類最大の音楽遺産を聴く喜びを知らずに死んだ事になる、と多くの先人が書いているし私も同感だ。イエスの死と復活を扱ったこの曲はキリスト教を信じるか、信じないかを超越したところで誰もが深い精神性と感動を味わうことができる。冒頭の第1曲の合唱「来れ、娘たちよ、われとともに嘆け」が始まるとともに、これから語られる受難の物語の壮大な幕開けの緊迫感に圧倒されてしまいます。やがて天から降ってくるかのようなミュンヘン少年合唱団の合唱がこれまた緊張感を持って合唱に加わる。素晴らしいのはアリアや合唱だけでなく、テノールのヘフリガーの福音史家の語りが素晴らしいのはこの盤の魅力にもなっています。音楽の力としか言いようがないほど、強烈な説得力で語りかけてきます。それらをひとまとめにしての極めつけはヘルタ・テッパーによるアリア「憐れみ給え、我が神よ」はバッハを唄う不世出のアルトを実感させる。「憐れみ給え、我が神よ」は〝ペテロの否認〟の後、ひたすら神の許しを乞うて歌われる美しく厳粛なアリアだ。印象的なヴァイオリンのオブリガート(助奏)が、神の慈悲を表しているようだ。実際、涙を流しながら歌う歌手もいるという。
1958年6月-8月ミュンヘン、ヘラクレスザール録音。

ヴィンテージレコード詳細

プロダクト

Karl Richter ‎– Johann Sebastian Bach / Passio Secundum Matthæum (Matthäus-Passion)
レコード番号
SAPM198 009/12
作曲家
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
演奏者
エルンスト・ヘフリガー キート・エンゲン イルムガルト・ゼーフリート アントニー・ファーベルク ヘルタ・テッパー ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ マックス・プレープストル エッケハルト・ティーツェ ヘトヴィヒ・ビルグラム
オーケストラ
ミュンヘン・バッハ管弦楽団
指揮者
カール・リヒター
録音種別
STEREO
STEREO CURVED with silver "Alle Hersteller“ ED1, STEREO FLAT 4枚組 (180g/170g/160g/170g), 布張りボックス、ブックレット及びレコーディング・データシート付属、背表紙「逆さ文字」最初期盤。

ヴィンテージレコードのカバー、レーベル写真

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
EX+
製盤国
DE(ドイツ)盤
ARCHIV》シルバーと青は、アルヒーフレーベルのシンボル・カラー。ドイツ・グラモフォンの社内に置かれた音楽史研究部門として、1947年に誕生し、古楽器の音楽を専門に扱っているレーベルである。ヴァルヒャ、リステンパルト、レーマンらによるバッハ作品の録音より開始され、その後オリジナル楽器復興として重要な、ヴェンツィンガーとバーゼル・スコラ・カントールムによる演奏や、決定的な名盤になった、カール・リヒターの「マタイ受難曲」などを録音。録音、演奏とも高水準を維持してきたわけではないが、その歴史的音楽資料としての価値は計り知れないものがある。デジタル録音の開始により、サウンドは安定期に入っており、1980年頃からは、ピノック、ガーディナー、ゲーベルらと契約を結び、古楽復興の重要なレーベルとなってきた。
アルヒーフ・レーベルのステレオ時代のレーベルは、銀色のベースにレーベルの周囲に二本の青色の線が印刷された、一般に「ブルーラインレーベル」から始まる。そのなかでも、ステレオ初期盤のレーベルは、12時の位置に「STEREO」の表記がみられる。次の世代になると、この「STEREO」表記はなくなる。
この頃のアルヒーフ・レーベルの名盤としてはカール・リヒターが残した数多くのバッハの名作を中心とした名録音を上げることができる。「マタイ受難曲」そして「ヨハネ受難曲」、数多くのカンタータそして、管弦楽組曲などの器楽曲はいまでも、バッハ演奏の模範として多くのファンを魅了している。

通販レコード

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オーダーは
品番 / 23261
販売価格
41,800円(税込)
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