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2017年11月10日

仲道郁代 ロマンティックなピアノ第4曲〜ノクターン20番 レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ

ショパン:ノクターン第20番「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」嬰ハ短調 遺作

 作曲家は、生きることへの直向な思いをピアノの音に託してきた。正味4分もないですが、デビュー30年になる仲道郁代さんが簡潔に作曲の背景を紐解き、演奏の秘密を解き明かす。ピアノ学習者向けにもなっているのは類がない特徴です。
 今日、2017年11月10日放送、番組で紹介されるのはショパンのノクターン遺作、映画「戦場のピアニスト」でも使われている。左手のアルペジオの伴奏にのって、右手が甘美で感傷的な旋律を歌うノクターンは、ショパンのピアノの詩人としての一面が最もよく現れたものと言えるでしょう。

2017年11月10日(金) 23:55~24:00

 ピアノは“鍵盤打楽器”と言われており、打弦するといずれ音が消えてしまう。ショパンは、そんな儚いピアノの音の特性を愛し、作曲を続けた。彼の作品のほとんどが、ピアノの曲で、その儚い美しさが、作品の世界を作っていると言われている。

 ショパンは全部で21曲のノクターンを残しています。「ノクターン」は邦語で「夜想曲」と訳されています。ショパンの夜想曲第20番「遺作」は1830年春に作曲されました。姉のルドヴィカ・ショパンがフレデリクのピアノ協奏曲第2番を練習する時のための曲として書かれたとされています。夜想曲第20番はショパンのノクターンの中では第2番変ホ長調と並んで有名で、その切ない哀しげな旋律は聴く者を魅了します。
 曲は4分の4拍子、レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ、三部形式。4小節の助奏の後、左手の分散和音による伴奏で、右手が有名な切ない哀しげな旋律を歌います。中間部にはピアノ協奏曲第2番の1楽章と3楽章で用いられている旋律が現れます。1875年に出版した際には、「アダージォ」という表題で「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」という速度記号がついていました。しかしその後、ブラームスがこの曲を写譜する際にこの標題を消してしまったため、「 レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」という名称として知られるようになりました。
 しかし現在では姉のルドヴィカがショパンの未出版作品のカタログを作った際に「ノクターン風のレント」と記したことから。ショパンのノクターンの1曲として数えられるようになりました。

Frédéric François Chopin

クラシック音楽の歴史の文脈にショパンが居ない事も成り立つほど、音楽史上特異な存在。

(1810.3.1 〜 1849.10.17、ポーランド)

Frédéric François Chopin 語学教師をしていたフランス人を父として生まれた。8歳の時に公開演奏でピアノを弾き、12歳でワルシャワ音楽院に入り作曲とピアノを学んだ。21歳の時にパリに演奏旅行し、そのままこの地に定住。メンデルスゾーンやリストと親しく交わり、たちまち楽壇の寵児と成った。ショパンは『ピアノの詩人』、『ピアノの魂』と云われるように、生涯にピアノ曲およびピアノを含む曲以外の分野の作品は殆ど書こうとしなかった音楽史上特異な作曲家で、リストとは対象的なせん細で詩的なその演奏法とともに、ピアノ音楽だけでなくロマン派の作曲家たちに大きな影響を与えた。

 代表作は、2曲の『ピアノ協奏曲』、『ワルツ集』、『前奏曲集』、『練習曲集』、『ポロネーズ集』、『マズルカ集』、『スケルツォ』、『バラード』など。


 ピアノは雄弁です。作曲家が託した思い、演奏家が託す思いを、ピアノの音は語ります。
 ピアノの名曲には、名曲たる所以があります。なぜ、その曲は、聴くものの心に響くのか。ピアノの曲に込められた思いや意味とは何か。演奏家は、それをどのように音にしていくのか。
 この(番組や仲道郁代さんの)コンサートでは、そんな名曲の秘密に迫ります。お話とともに、ピアノの音に浸る。より深く曲の世界に入ってみる。そんな空間・時間を、ご一緒にお過ごしいただきたいと思います。

プロフィール

仲道郁代 - IKUYO NAKAMICHI -
 デビュー30周年を迎える2016/2017シーズンは、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団とのツアーを行ったほか、ショパンとチャイコフスキーの協奏曲の記念コンサート(東京・兵庫)、記念リサイタル(全国各地)、ブラームスとショパンの人生から描いた演劇とのコラボレーション企画(全国7公演)などを実施。2016年にはCD『ショパン:ワルツ』『永遠のショパン』、2017年3月にはショパンのリサイタルを収録したDVDをリリース。秋にはシューマンのアルバムを予定している。
 桐朋学園大学1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢賞を受賞。文化庁在外研修員としてミュンヘン国立音楽大学に留学。ジュネーヴ国際コンクール最高位、メンデルスゾーン・コンクール第1位メンデルスゾーン賞、エリザベート王妃国際コンクール5位と受賞を重ね、国内でも村松賞、モービル音楽奨励賞を受賞した。これまでに、マゼール指揮ピッツバーグ響、バイエルン放響、フィルハーモニア管、ズッカーマン指揮イギリス室内管(ECO)、ブルゴス指揮ベルリン放響、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルなどと共演。カーネギーホール、ベルリン・フィルハーモニーホール、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーホールなどでもコンサートを行ってきた。05年には、英国チャールズ皇太子夫妻ご臨席のもとウィンザー城で行われたイギリス室内管弦楽団(ECO)主催の「結婚祝祭コンサート」に出演し称賛された。
 レコーディングはソニー・ミュージックジャパンインターナショナルと専属契約を結び、多数のCDを発表。著作に『ピアニストはおもしろい』(春秋社)等がある。一般財団法人地域創造理事、大阪音楽大学特任教授、桐朋学園大学教授。テレビ番組、新聞、雑誌などメディアへの出演も多く、音楽の素晴らしさを広く深く伝える姿勢は多くの共感を集めている。
仲道郁代 オフィシャルHP http://www.ikuyo-nakamichi.com




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