アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください

通販レコードのご案内　常に全力投球、短い音楽人生の情熱が数は少ないが全ての音盤に宿っている。彼女の才能が充分に発揮された名盤です！優秀録音。

《英モノクロ切手盤》GB EMI ASD2751 デュ・プレ&バレンボイム ドヴォルザーク・チェロ協奏曲　デュ・プレは、1966年にバレンボイムと21歳の若さで結婚、この録音が行われたのは1970年、まだ25歳である。しかし1971年頃から多発性硬化症が発症し始めたというから、万全な状態での最後の頃だったのだろう…
　1961年、16歳でデビュー、「カザルスに匹敵する」と絶賛を浴びる。それは、わたしが生まれる前のことであり、天才女流チェリスト、デュ・プレの演奏との最初の出会いは、この録音でした。そして非常に感銘を受けました。歌い回しの雄弁さが圧倒的で、音の一つ一つへの精神的な思い入れが本当に凄かったからです。それから《チェロ協奏曲》の中でも注目して聴くようになったのは『追記』したとおりです。そして、余りにも情熱が乗り移っていてドヴォルザークの名曲が生まれ変わっているのも事実です。
　デュ・プレの奏でる調べは、我々の魂の深いところに響く。ひとはジャクリーヌを妖精と呼んだ。たとえ目の前に落とし穴や障害物がいっぱいあっても、ジャクリーヌは大股で踏み入っていく。ジャクリーヌの天性の感は行く道を誤ることがない。
　型通りの序奏をオーケストラが総奏して、チェロが勢い良く飛び出してくると思わず身を乗り出してしまう。音楽の温度が一気に上る。デュ・プレのテクニックは小気味良く、力を抜く余裕はなく音色も時に美感を欠くほどだが、それだけにきれいごとでない独奏が聴くものを圧倒する。
「天才とは神が与えた重荷だ」というが、天才は夭折する。表紙の幸せそうな写真から、４年後に多発性硬化症が発症して28歳でチェロ演奏家として引退するとは思ってもいなかっただろう。42歳で生涯を閉じると誰が想像しただろうか。
　このレコードでの、ストラディバリが制作した60余りのチェロの中でも指折りの銘器と言われる1713年製ストラディヴァリウス “ダヴィドフ”の美音も冴えている。