アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください

メータのマーラー・チクルスは、ウィーンフ・ィルと共演し《た復》活は別格だが、いずれも彼のキャリアを飾る名演奏で、全曲録音にならなかったのは残念。1980年前後は小澤＆ボストン響、アバド＆シカゴ響、レヴァインの一連の録音など、新時代のマーラー演奏が次々と出て来て楽しかった。メータは再録音もしており、造形的な完成度は高いが、本盤や前述の《復活》収録時の40代歳前後の若さ溢れる演奏の方が一筆書きの勢いがあり、圧倒的に聴いていて面白い。ロス・フィルも十分に健闘していて、メータはロス・フィルの明るいながらも品位のあるサウンドを生かしながら、若々しい高揚感ある演奏をしている。メータは年輪を重ねるにつれて演奏が慎重になり面白くなくなっていくのがよく理解できます。それに前述のデッカ制作陣不在も大きく録音もボケていっている感じ。本盤の価値は一級のオーディオファイル盤であることか。

1976年4月南カナダ大ルイス・ホール、レイ・ミンシャル&ジェームス・ロックの制作陣によるセッション、イギリス・プレス、ステレオ、ED4初期盤。