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2019年09月01日

フェアウェル・セッション◉ワルター指揮コロンビア響 モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジーク、オペラ序曲集

通販レコードのご案内 巨匠ワルターのロマン味あふれる名演でモーツァルトの小品を。

NL CBS S61022 ワルター・コロムビア響 モーツァルト・小夜曲.序曲集《蘭ウォーキング・アイ盤》NL CBS S61022 ワルター・コロムビア響 モーツァルト・小夜曲.序曲集 急病での演奏会キャンセルによるラスト・・・と違って、ブルーノ・ワルターのイメージを手伝うような、円満な雰囲気の中でのラスト・レコーディング。お別れだよ、と手を振っているようにも見える表紙の写真が印象に残る。
 ブルーノ・ワルターとコロンビア交響楽団とのステレオ録音は、1961年3月が最後となりました。その最終日には本盤に収録された4曲の序曲のセッションが行われましたが、最後の作品がワルターのこよなく愛したモーツァルトだったというのは、偶然とは思えません。ワルターは孫をかわいがるようにモーツァルトを演奏する。数多い「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の演奏の中でもワルターのものはとびきりの名演で、この曲の規範ともいうべきもの。いつ何度聴いても新鮮で美しい。歌劇「魔笛」序曲をはじめ、ワルターはこの中の何曲かは複数回録音も行っており、このステレオ盤が必ずしもワルターのベスト演奏ではないが。しかし、この偉大な響きは最晩年のワルターにしかなしえない世界であり、唯一のものです。
 常にワルター指揮の演奏は、モーツァルトの真情に迫り、あたたかく歌い上げようとする姿勢において一貫していますが、この演奏でも早めのテンポで、あまり細部に拘泥しない行き方をとっています。この名指揮者独特の「歌」は、あまり濃厚ではないながらも、全体の厳粛な流れを淀ませることなく凜とした旋律を際立たせています。こうしたことはワルターの個性というより、同世代の指揮者の特徴である。自然の流れのなかで、しかしモーツァルトへの畏敬の念あればこその深みをここに感じる。円熟期以降、全般に金管楽器、打楽器の過度な強調をおさえて、弦楽器と木管楽器の融合の響きを大切にしたが、そうした特質があますところなく表出されているのが本盤である。

 オーケストラの楽員が楽しい気持ちで演奏しなければ、聴きに来てくれている皆さんが楽しいとは思えない。とは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスター、樫本大進が信条としていること。ただし、オーケストラがベルリン・フィルだからこそと付帯条件がつく。日本のオーケストラと違い、ベルリン・フィルの楽団員には、どのタイミングで弾き始めればいいなどと言わないでいい人達ばかりだからだ。楽団員それぞれが、物凄いエゴイストばかりで、樫本大進がリハーサルで協奏曲のソリストの代わりに弾くことになったとき、オーケストラは全く違う曲を演奏し始めた。ところが樫本大進は動じないで、オーケストラが弾きだした〝メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲〟のソロを弾き始めた。僅か一小節の伴奏でソロはカデンツァから弾き始める必要がある曲なのにだ。楽団員は、その動じない姿に逆に「面白くない」って言った。

「ミラベルの庭園にて」へのオマージュ

 モノラル期のLPに「ミラベルの庭園にて(in the Gardens of Mirabell)」という題名がつけられ、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や歌劇「フィガロの結婚」「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」などの序曲の他に、メヌエットやドイツ舞曲などが収められているレコードがある。ミラベル庭園は、ザルツブルクにあるミラベル宮殿の庭園です。モーツァルトの時代には、この庭園で彼の作品が多く演奏されたという事にちなんでいる。ブルーノ・ワルターは慈しむがごとくモーツァルトを演奏する。鋭角的なものと無縁な演奏だ。
 ワルターはポートレイトから受ける温厚な紳士のような印象で、その音楽を記録したレコード、CD。特にCDはかなりの割引感で受け止められているんじゃないかしら。一度で良いからSP盤で聴いて欲しい演奏家です。
「ミラベルの庭園にて」はレコード・アルバムとして素晴らしい選曲、演奏です。その中でも「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」をよくよく聴きたい時に最適なカップリング。モノラル時代一斉を風靡した名盤。モノラル録音らしい線の太い、エネルギー感のある音質で演奏も1950年代のワルターらしく張りのあるもの、「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」でさえ、張りに満ちた音楽になっています。録音のための臨時編成のオーケストラでは、そうもいかなかっただろう。
 ワルターの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は、どの録音も、この曲のとびきりの名演と言われています。この曲を好きというクラシックリスナーは、みんな一度はワルターの洗礼を受けているものだと思います。どれも魅力があるが、ニューヨーク・フィルハーモニックとのモノラル録音では固まりとなってぶつかってくるような音は出さず、その出す音色は綺麗に磨き抜かれていることを強く感じる。モーツァルトは甘ったるいと言って話題にもしていなかった方が、モーツァルトの話題にのってきた時にはよもやと思ってしまいます。
 それに続いて2曲のメヌエットが並ぶ。優雅でトリオのホルンが美しい、「メヌエット」ヘ長調 K.599は1791年の作品。「メヌエット」ハ長調 K.568は1788年の作品で、威厳があり、深みのあるものとなっています。ふだんあまり顧みられることのない「3つのドイツ舞曲」K.605 には、しみじみとした良さが感じられる。1791年の作品で、本盤では第2番、第1番、第3番の順に演奏されています。第3番は「そり遊び」としてクリスマス商戦の店内音楽でも親しまれています。「フリーメーソンのための葬送音楽」K.477は、1785年の作品でフリーメーソン会員の葬儀のために書かれた深い内容の音楽で、ワルターはこれを高く評価しモーツァルトの本質が全く新しい語法で表現されたものであると述べていた。
 気持ちを入れるには、まずは形からと言いますけれども、フォーマル、カジュアル、ファッション次第で仕草から変わってきます。 着ているもの、それを着ていく場所にふさわしい動きがあると言ったらいいでしょうか。オーケストラは指揮者にとって、着るものではないかしら。指揮者、ワルターはオーケストラを変わる度に、音楽が変わっていった指揮者ではないでしょうか。 いや、オーケストラに会わせた音楽を生み出す指揮者だったのでしょう。 極端な表現かも知れないけれども、SP時代とLPレコードの時代のワルターは別人のようです。 ワルターを語る時に、どの時代のワルターを聞いていたのかで印象が違うようで面白いものです。
1958年12月17日(セレナード第13番ト長調 K.525『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』)、1961年3月29,31日(歌劇『劇場支配人』序曲 K.486、歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』序曲 K.588、歌劇『フィガロの結婚』序曲 K.492、歌劇『魔笛』序曲 K.620)、1961年3月8日(フリーメーソンのための葬送音楽 K.477)カリフォルニア、アメリカン・リージョン・ホールでの、ステレオ・セッション録音。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

Bruno Walter, The Columbia Symphony Orchestra, Mozart ‎– Eine Kleine Nachtmusik
レコード番号
S61022
作曲家
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
オーケストラ
コロムビア交響楽団
指揮者
ブルノー・ワルター
録音種別
STEREO
珍しい和蘭プレス。
NL CBS S61022 ワルター・コロムビア響 モーツァルト・小…
NL CBS S61022 ワルター・コロムビア響 モーツァルト・小…

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
EX++
製盤国
NL(オランダ)盤

通販レコード

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オーダーは 品番 / 34-23153
販売価格 3,000円(税別)
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