戦火のマエストロ・近衛秀麿の録音に平和への願いを聴く/第7回・蓄音機と高級オーディオで昭和の名演奏を鑑賞する会を準備中
鶴屋クラシックサロンを会場にする鑑賞会は「蓄音機+LPレコード+デジタルサウンド」のスタイルで、3年目に入ります。
ここ相次ぐ驚天動地の自然災害に、戦後生まれの音楽家たちは自分らに出来ることは何かを考え実行し始めています。が、かつて第2次世界大戦で音楽文化は危機に瀕します。イギリスでは男性演奏家の多くが従軍し帰らぬ人となりました。戦後オーケストラの立て直しに難儀して、女性演奏家を採用しています。戦後アメリカのショービジネスの目覚ましさは、イギリス経由でアメリカに亡命した多くのユダヤ人音楽家の活躍によります。
クロイツァーを日本に亡命させた近衛秀麿は、ベルリン・フィルを指揮してナチス・ドイツの宣伝に協力する一方で、ユダヤ人演奏家を楽団員として演奏旅行を建前に国外へ救い出す活動を続けました。戦後、この時期のことは家族にも多くを語らなかったということです。SPレコード、戦後の演奏会の録音を数多く残しているので、10月29日の鶴屋クラシックサロンでの鑑賞会では近衛秀麿の名演奏を中心に楽しみます。使用蓄音機は昭和2年から3年間だけ製造された英国HMV 157型 蓄音機 1924年に開発された電気式録音に本格的に対応するため、米ビクター社につづいて、’27年に No.5A サウンドボックス付きの一連のエクスポーネンシャル・リエントラントホーンのシリーズが作られた。その中で最も小型の機種。ニッケルメッキのトーンアーム、No.5A サウンドボックス、12インチターンテーブル、2本ゼンマイの32型モーター。この一連のシリーズには、全てにオートリリースとオートストッパーが付いている。亜鉛板のホーンは、水平に2分割して折れ曲がり、下方から開口部に至るリエントラント型。開口部は 390×500mm で面積は 1,950c㎡。キャビネットはマホガニー材。英国製。
(催しのご案内)
- 期日
- 平成29年10月29日(第5日曜) P.M. 1:15〜
- 場所
- 熊本市手取本町 鶴屋百貨店東館3F クラシックサロン
蓄音機の会会員募集中
このレコードを聴いてみたい、レコードはもってるけど蓄音機がないので聴くことが出来ない、そういうレコードはいつでもご持参ください。数曲は時間のゆとりが取ってあります。
あなたの自慢のレコード、大好きな曲の思い出を教えて下さい。どうぞ、クラシックでもジャズでも、歌謡曲でも、レコードを掛けて解説をしたいという申し出も期待しています。
参加希望や問い合わせといった詳しくは「
熊本ふるまち de 蓄音器で楽しむかい」へ
http://amadeusrecord.info
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