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オリジナル稀少盤、アナログ・レコード優秀録音盤のアナログサウンド! 

1960年代、70年代、80年代までのクラシック音楽のアナログLPレコードの、欧米で発売された当時の『オリジナル盤』初版盤、レアなレコードぞろい。優秀録音と評価の高い録音をメインにコンディションの良いものを案内しています。


2019年09月20日

黄昏れと青空の境界*アッカルド、マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 ブルッフ・スコットランド幻想曲、ほか

通販レコードのご案内 録音は極めて優秀。表面的な美しい独奏と、くすんだ響きのオーケストラのコントラストが効果をあげる。

NL PHILIPS 9500 423 サルヴァトーレ・アッカルド ブルッフ・スコットランド幻想曲/コンツェルトシュテュック《蘭レッド・レーベル白文字盤》NL PHILIPS 9500 423 サルヴァトーレ・アッカルド ブルッフ・スコットランド幻想曲/コンツェルトシュテュック パガニーニはクラシック史上最高のヴァイオリニストで、ヴァイオリンという楽器の可能性を広げることにも尽力した偉大な音楽家でもある。作曲家として自身で演奏するためだけの協奏曲や室内楽を残しもしたが、その超絶技巧の実践のためと言っても悪口として受け取られはしないだろう。
 でも、特化した曲とは言えそうで演奏家を選ぶ。そのパガニーニのスペシャリストとも言えるのが、アッカルドである。驚異的なテクニックと明るく澄んだ音色、豊麗な歌が持ち味のヴァイオリニストである。もちろん、パガニーニ以外の、例えばブラームスやメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲も録音してはいるが、どうも評判はさっぱりのようだ。こういうスペシャリスト的ヴァイオリニストもいるのだ。1978年録音。ヴァイオリンの内省的で憂いに満ちた旋律からは柔らかく黄昏れた明るさと、澄み切った諦観が溶け合っているロマンティックなドラマを描いているような協奏曲ですが、本盤で聴くそれは良くも悪くもアッカルド節全開です。
 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番と第2番を好きに成ったのは、チェコの演奏家で聞いた時で、それがステレオ初期の録音だったからかヴァイオリンの音がずり上がったり、ずり下がったり。わたしはそこに妖艶さを感じたんです。聴いていてムズムズしたいんです。そうした技術だけの問題でないところで、演奏される機会が少なくなっているのでしょうか。ベートーヴェン、ブラームスと3大協奏曲と云われていた時代が有りました。ヴィルトゥオーゾ・タイプのヴァイオリニストが再び登場すれば改めて返り咲くでしょう。
 アッカルドとマズアのコンビで録音がある、ロマンス Op.42、アダージョ・アパッショナート Op.57、イン・メモリアムOp.65、コンツェルトシュテュックOp.84、スコットランド幻想曲、セレナード Op.75と、協奏曲3曲を合わせると、ブルッフのヴァイオリンとオーケストラのための作品がほぼ揃う。セレナードはもともと協奏曲第4番として書かれていたものだ。
 メロディメーカーのブルッフ作品は次々展開される、しかし、夫々には出来のよい旋律が次から次へと繰り出されるばかりで、構成力にやや弱点があるように思う。そうした負となる一面も、そのメロディが煌びやかにカンタービレをふりまくアッカルドのテクニックで華やかな歌謡性が活かされる。「スコットランド幻想曲」一つとってもハープを抑え目に従えたヴァイオリンは民謡・舞曲風な曲運びで実にロマンチックに鮮やかに活躍し、その美音は堪能出来ます。アッカルドが36歳頃、マズアが50歳頃で両者共充実期の演奏でマズアの、時として若干通りいっぺんに陥りつつも渋い伴奏が比較的好対照的で情に溺れない結果オーライの中和した味わいになっている。過度にテンポを揺らす事無く、また押し付けがましすぎない。牽引力があると言えば聞こえはいいのだけど、ただパワーで押し切ったような演奏、音色濃厚で歌唱力があると言えば聞こえはいいが、厚かましすぎと思われる演奏もあったりで、そういった演奏とは境界で向かい合う。それでいて音に説得力があり、誠実さを感じさせます。堅実なこの曲をよく表した演奏なのではないか。
1978年リリース。

サルヴァトーレ・アッカルド(Salvatore Accardo, 1941年9月26日 ー ) は、イタリアのヴァイオリニスト。トリノ生まれ。シエーナのキジアーナ音楽院でジョルジュ・エネスコの高弟だったイヴォンヌ・アストリュクに師事し、さらにナタン・ミルシテインにも師事する。13歳にしてトリエステで最初の演奏会を開き「パガニーニの再来」という賛辞を贈られたほどの神童であった。
マルタ・アルゲリッチとの共演などソリストとして世界的な活動する一方、1970年代にはイ・ムジチ合奏団のコンサートマスターを務める。驚異的なテクニックと、明るく澄んだ音色、美しく華麗な歌の魅力により、とりわけパガニーニ作品の演奏家として名高い。シャルル・デュトワと共演して協奏曲全6曲の全集や、譜面が現存するヴァイオリンと管弦楽のための協奏作品、ヴァイオリン独奏曲のほぼ全てのパガニーニの作品を録音し、「24の奇想曲」は少なくとも2回は録音している。録音数は、フィリップス、ドイツ・グラモフォン、EMI、ソニー・クラシカル、フォネ、Dynamic、ワーナーといったレーベルに50点以上の録音がある。
近年ではヴィオラ演奏や指揮者も手掛ける。ストラディヴァリウス・ファイアーバード・エクス・サン=テグジュペリ(1718年製)とストラディヴァリウス・ハルト・エクス・フランチェスカッティ(1721年製)の二種類のストラディヴァリウスとグァルネリ・デル・ジェス(1734年製)を愛用している。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

Bruch - Salvatore Accardo / Gewandhausorchester Leipzig Conducted By Kurt Masur ‎– Schottische Fantasie Op. 46 / Konzertstück Op. 84, Philips ‎– 9500 423
レコード番号
9500 423
作曲家
マックス・ブルッフ
演奏者
サルヴァトーレ・アッカルド
オーケストラ
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
指揮者
クルト・マズア
録音種別
STEREO
RED WITH WHITE LETTERING, STEREO 1枚組(110g), Release 1978。
NL PHIL 9500 423 サルヴァトーレ・アッカルド ブルッ…
NL PHIL 9500 423 サルヴァトーレ・アッカルド ブルッ…

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
M-
製盤国
NL(オランダ)盤
レッド・ラベル 白文字赤色の地に「PHILIPS」の社名ロゴが大きく印刷された、このラベルは1960年代の半ばから1980年代までの長きにわたって使用されてきました。ご存知のように、この頃の同レーベルには名演・名録音盤にあふれています。「HIFI-STEREO」と印刷されたマルーン・ラベルの再生音と比べて、ホールトーンを積極的に捕らえた録音は、ホールの平土間の少々後方の席で聞いたサウンドイメージですが、実際にホールで聞くよりも各楽器のディテールが手に取るようにわかり、しかも決して混濁することがありません。それは演奏の録音後に、ホールトーンを録音してブレンドして創りだされた独自製法が施されていて、ここに、アナログ録音の完成されたひとつの姿として雰囲気豊かな再生音になっている理由を見出すことができそうです。なお、初期のものはロゴが銀色で、後期のものは白で印刷されています。

通販レコード

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オーダーは 品番 / 34-21270
販売価格 3,500円(税別)
詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。

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Posted by 武者がえし at 09:45│Comments(0)通販レコード協奏曲
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