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2015年07月16日

きらクラDON 第140回の回答は、フォーレの《シシリエンヌ》の冒頭だ。

チェロとピアノのためのシシリエンヌ ト短調 Op.78 の冒頭

Gabriel Urbain Fauré/Sicilienne
きらクラ 2015年7月12日の放送はベートーヴェン、シベリウスに続く『ラヴェルまつり』でした。きらクラDON の出題もラヴェル周辺だろうと構えていたら、フォーレ作曲シシリエンヌの冒頭でしょう。 ―― ラヴェルとドビュッシーを合わせたくらいにフォーレは気になる作曲家です。

 フォーレ(Gabriel Urbain Fauré/1845-1924)は、フランス南部のアリエージュ(Ariège)で教師の家庭に生まれる。幼い頃から教会のリード・オルガンに触れるうちに天性の楽才を見出され、パリの宗教音楽学校に通い始める。1861年からは教師としてやってきたサン=サーンスにピアノと作曲を師事。Gabriel Urbain Fauré
 1865年に卒業後、レンヌの教会オルガニストなどの職を経て、パリのマドレーヌ教会でオルガニストとなった。1871年にはサン=サーンス、フランクらとともにフランス国民音楽協会の設立に参加している。母の死後に作曲された『レクイエム Op.48』(1887)は、フォーレの代表作の1つである。しばしば、モーツァルト、ヴェルディの作品とともに「三大レクイエム」の一つに数えられる。


『シシリエンヌ(シチリアーノ) Sicilienne 』は、フォーレによる1898年作曲の室内楽曲。ピアノとチェロのために作曲されたが、後に戯曲『ペレアスとメリザンド』の第5曲として転用された。ピアノとフルートの楽曲としても親しまれています。時に「シシリエンヌ」、時に「シチリアーナ」、時に「シチリアーノ」と呼び名が微妙に違うが、どれが正しくてどれが誤りということはない。これは「曲名」というより「音楽の形式の名称」という方が正しい。その起源にいたってはゆったりとした動きの短調で流されるイタリアのシチリア島の舞曲の総称ともいわれている。この「シチリア舞曲」の形式に対してフランス語での女性的な概念を持った意味の「シシリエンヌ」、イタリア語では女性的な概念を持った意味で「シチリアーナ」、イタリア語で男性的な概念を持った意味での「シチリアーノ」を適宜で使っているにすぎず、どう呼んでも、たいした問題ではない。

ラヴェルは事実フォーレの作曲科の門弟でした。フォーレは音楽史上に残るような新たな様式を打ち立てたりしていないけれど、和声の領域ではドビュッシー、ラヴェルへの橋渡しといえる存在であり、19世紀と20世紀をつなぐ役割を果たしている。『ラヴェル事件』を起こしたほど音楽教育者としては真剣だったことは彼の肖像から感じるほどだ。ドビュッシーやラヴェルが同時代の仲間内だけの中の音楽家で終わらなかったのは、フォーレが前時代の音楽を中継ぎしたからだとわたしは信じる。

フォーレは、リスト、ベルリオーズ、ブラームスらが成熟期の作品を生み出していたころに青年期を過ごし、古典的調性が崩壊し、多調、無調の作品が数多く書かれ、微分音、十二音技法などが試みられていた頃に晩年を迎えている。なかでも、調性崩壊の引き金を引いたワーグナーの影響力は絶大で、バイロイト詣でを毎夏励むほどだったが、その音楽は折衷的な様相を見せる。
その作品形態は当時の流行を追わず、古典主義的な楽曲形式を採用した。調性においては、頻繁な転調のなかに、ときとして無調的な響きも挿入されるが、旋律や調性から離れることはなかった。音階においては、旋法性やドビュッシーが打ち立てた全音音階を取り入れているが、これらに支配されたり、基づくことはなかった。

旋律を歌わせる際のユニゾン、伴奏形には装飾的かつ流動的なアルペジオが多用されるのがフォーレの音楽の特徴で、『シシリエンヌ』でもピアノの前奏が、この曲を作曲したのはフォーレだよと語っている。
フォーレの傑作、シシリエンヌ◎そのエッセンシャル2種



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