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2016年02月07日

きらクラDON 第160回の出題曲は、小児の如き心根に胚胎した優しく美しき音楽。


 きらクラDON 第160回の出題曲は、シューベルトの歌曲《セレナーデ》でしょうか。似た曲はないか数日考えに考えて、この歌曲はテノールからバリトン。そういえばアルトやソプラノでも歌われているから音程が違うのだろうと決心して解答とします。
 先週がモーツァルトの「夜の女王のアリア」つながりで、セレナーデがあって、来週は『夜想曲』だ。という考えが振り払えないでいます。
 この『セレナーデ』は歌曲集『白鳥の歌』の4番目の作品で、レルシュタープの詩に曲をつけたもの。単独で演奏されることも多い人気曲ですね。日本語では『小夜曲』。語源はイタリア語の『sera(夕方,夜)』から出たとされますが、ドイツ語タイトルは『Ständchen』。この『シュテンチェン』は『立つ』という意味から生まれた言葉で、中世の昔、男性が恋する女性の窓の下に立ち、求愛や讃美の歌を歌う風習がヨーロッパ中に広まりまったことによるようです。
 モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」はセレナード第13番ですが、こちらは王侯貴族の夜のパーティの時の娯楽の場で器楽演奏される様式。現代においては、伝統的なこととは無関係になってスイートハニーな甘い音楽のタイトルで使われていますね。
 シューベルトとモーツァルトは若くて病死しましたが、どちらも900曲の作品数を数えます。ビックリですね。

 シューベルトは、心から湧わき出ずる旋律を、すばらしい天才で処置し、五線紙に留めて百千年の後に遺した人類への恩恵そのもの。「俺は百年に一度生まれる天才」と信じて疑わなかったモーツァルトに比べて、なんという大きな性格の違いでしょうか。彼は自分の天才を少しも知らなかったほどの謙遜な魂の持主で、シューベルトの音楽にはバッハの儀容も、ベートーヴェンの威厳もなく、モーツァルトの絢爛さもブラームスの端正さもないが、懐かしさと優しさと、泌み出る愛情と輝く美しさは、音楽って本当に清らかな気持ちにしてくれて癒されるし、感動的だと思わせてくれる。
 日記を書くように曲を作曲するシューベルトをイメージすると、アイデアや名文がひねりでないから煮詰まって書けないと思っても、一日2キロバイトでも、3キロバイトでも書く。詰まっても書くしか無い。すると、その中に大なり小なりの何らかが生まれてくるものだなぁと励むしか無いと思わされます。

歌曲王 フランツ・シューベルト

Franz Peter Schubert(1797.1.31 - 1828.11.19 オーストリア)Franz Peter Schubert
生粋のウィーン生まれの大作曲家。“ドイツ歌曲の王”と言われている。小学校長を父とし、12歳でコンヴィクトという神学校に入学、教会で歌った他、音楽教育を受けた。17歳で名作「糸を紡ぐグレートヒェン」を作曲、翌年には「野ばら」「魔王」など145曲の歌曲を書き、31歳の若さで死にまでの間に600曲以上の歌曲を残した。歌曲の代表作は“3大歌曲集”と称される「美しい水車屋の娘」、「冬の旅」、「白鳥の歌」のほか「ます」、「死と乙女」、「音楽に寄す」、「アヴェ・マリア」などがあげられる。シューベルトはこのように歌曲によるドイツ歌曲の系譜における有力な主流となり、初期ドイツ・ロマン主義の確立に功績を残したが、器楽においてもその旋律の美しさと叙情性において独特の境地を開拓した。



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